庭の手入れ用品や車用品、キャンプ道具、DIYが趣味の人なら工具の類も一杯ありますよね? 種々雑多な物を保管するには、どうしても物置が必要です。 でも、市販の物置はどうしても安っぽいし凹みなども付きやすい、輸入ものの木製物置は高価で手が出ない。 DIY初心者が、北欧風木製物置小屋を作成しましたので、設計図や製作手順などをご紹介します。
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目次
木製物置の魅力
自宅の屋内に保管できない物って沢山ありますよね。
お庭の手入れ用品や堆肥
車のメンテナンス用品に替えタイヤ
テントや椅子などのキャンプ用品
庭でのBBQ用品
その他諸々(笑)
こんなに沢山の物を入れようとしたら、そこそこの大きさの物置小屋が必要になります。
物置と言えば…
「100人乗っても大丈夫!」のCMで名の知れた某社などが扱っている、鉄やガルバリウム鋼板製の金属製物置が有名ですよね。
うちも昔使っていましたが、使っているうちに凹みはもちろん、金属製の引き戸が歪んで開きづらく、みすぼらしくなってしまいました。
金属製なので、歪んだ引き戸を開け閉めする時「キィーキィー」もの凄い音がしてかなり嫌なものでしたね(最近の製品はだいぶ改良されてるのかな?)
話は変わりますが、以前アメリカ横断旅行をした時、各地でいろんなお庭を見る事ができました。
そこで見たのは、綺麗なお庭にマッチした素敵な木製物置でした。
レンガで作ったものや、丸太を組み上げたものなど様々でしたが、私の目を惹きつけたのは、やはり木製の物置でした。
こんな感じや
こんな感じのとかです。
物が沢山入って、中で作業もできるのもある!
それに、庭や住宅に合わせて色や素材もオリジナリティに富んでいて、感動ものでした。
芝生や草木に囲まれた庭には、温かみのある木製の物置が似合いますね!
自由度が高く、オリジナリティに富んだ工夫(加工)もできる、だから自宅の庭にマッチした物置にする事ができる。
こんな所が木製物置の魅力的な所だと思います。
初心者が木製物置をDIYで作る決心
私の自宅は、北欧風の住宅メーカーで建て替えを行ったのですが、荷物が大量にあったんです。
キャンプ道具を筆頭に、父の釣り道具、ゴルフバッグ、薪割り道具、ガーデニング用品などなど…
とても家の中には入れる余裕はありませんでした。
幸い、私の自宅では1坪程度の物置なら置けそうなスペースがあった事もあり、絶対に物置が必要だ!と思っていたんです。
当初、市販の物置も考えたんですが、安い樹脂製の物置は、やっぱり安っぽいし壊れやすそうなのでパス!
1坪程度の容量だとスチール製の物置でも20万前後はしましたので、「この値段でスチール製かぁ…」と躊躇しました。
かと言って、輸入ものの木製物置キットなんかも50万前後しましたので、「う~ん、高い…、やはり断念するしかないか…」と、かなり落ち込んでいました。
しかし…
自宅の建築現場に足しげく通い、0から全て観察していくうちに…
「2x4工法の住宅ってわりと簡単なんだ!?」
「これなら、同じ感じで物置小屋を自作できるんじゃね!?」
と、悪魔のささやきが…(笑)
どうしても、アメリカ横断旅行時に見た素敵な木製物置が忘れられず、とうとう木製物置をDIYで自作する決断をしちゃいました。
はっきり言って、私はDIY初心者でした。
中学・高校時代の図画工作なんかは、5段階評価で3か4(笑)
興味はあったものの、いざ木製物置を自作するとなると、ドキドキが止まりません。
ちゃんと設計図を作って、2x4工法でやれば絶対いける!
そんないい加減な自信が、当時の私にはニョキニョキ出てきてたんです(笑)
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独自の木製物置設計図
なんとなくは頭に入っていたものの、いざ木製物置をDIYで自作するとなるとキチンと設計図を書かなくてはいけません。
それくらいは素人の私でも分かりました。
色んな本を読み漁り(大して多くありませんでしたが)、DIYの基礎知識を頭に叩き込みました(何となくでしたけど)
CADでもあれば良かったのでしょうが、あいにくCADの知識はなく、EXCELで図面を書くことに(笑)
木製物置の設計図(土台、床)
まずは土台ですね。
基礎を作って地面に固定してしまうと、固定資産税の課税対象になってしまう、だけどブロックに乗せただけだと地震の時に不安なので、束石に乗せた物にしました。
結果的に束石を使った場合は、固定資産の対象となりそうですが、市区町村によってはグレーゾーンみたいなので、市役所などに確認をする事をおすすめします。
ただ、倒壊だけは避けなければなりませんので、重量感のあるしっかりした土台を作る事をおすすめします。
束石は4x4の角材がすっぽり入るものにして、束柱には防腐剤をたっぷり塗ります。
上の図面には書き漏れましたが、左右の束石の所、根太の下に縦方向に「根太受け」を打ち付けています。
この上に15mm厚の重い合板を2枚貼り付ける事で、しっかりとした土台になります。
固定資産税の対象か?建築確認申請が必要か? 分かり易くチャート形式で整理しましたので、参考になさって下さいね。
⇒自宅の庭に物置小屋を作る時の注意点!固定資産税や建築確認申請は必要?
木製物置の設計図(正面、右側面)
土台の上に2x4のパネルを作って組み上げていくイメージです。
ドアと窓も「まぁ、なんとかなるでしょ」くらいの気持ちで設計しました。
ドアは、既製品を買ったら高いので、2x6材で組んで丸鋸でスリットを入れてアクリル板の窓を付けるイメージです。
右側面の窓は小さめなので、工法は同じですが2x4材で作りました。
木製物置の設計図(背面、左側面)
背面と左側面はドアも窓も無いので、パネルのみのシンプルな構造にしました。
2x4工法の特徴である「面で支える」事で、強度が出せる筈です。
緻密な計算はしていませんが、この小さな建物であれば強度は十分なはず。
それに、物置小屋の内側に固定棚を付けるので、更に強度が増すと考えたのです。
いま思えば、背面のパネルは2枚に分けた方が良かったのかな?と思ったりしますが、強度的にはこっちの方が良いはず!と信じてます。
木製物置の設計図(屋根トラス部)
屋根トラス部分
DIY初心者の私にとっては、最大の難関でした。
綺麗に三角形の屋根トラスを作るには、きちんとした計算が必要です。
そして考え抜いた結果?、三角関数で算出する事でした(DIYやってる人には常識?)
EXCELで三角関数を算出するツールを作って、必死にあちこち計算しました。
でもその甲斐あって、素人的には会心の屋根トラスができたと思ってます。
よもや今になって三角関数を学ぶハメになるとは…(笑)
EXCELでの三角関数の使い方などをまとめた記事はこちら↓
⇒ DIYで角度と底辺から高さと斜辺を算出?苦手な三角関数もEXCELで楽ちん計算!
設計図はここまでです。
あとは、壁に板を貼ったり、屋根に板貼って、防水シートを敷いて、屋根材を張り付けるくらいですので、そこからはアドリブでやってしまいました。
木製物置の製作手順
初めに書いておきますが、充分に研究して計画を立てたとは言え、DIY初心者の私が製作したので、これが正しい手順とは限りません。
それでも、ちゃんと完成し、東日本大震災の震度6弱でもビクともしませんでしたので、安心して参考にして下さいね(笑)
地盤ならしと束石設置
まずは位置決めと設置場所の雑草取り…
位置を決めたら、束石の場所に穴を掘って砂利を多めに入れて、丸太でドスンドスンやって固めます。
ここはしっかり固めておかないと、後々物置に負担が掛かって壊れる可能性もありますので、とにかく根気よく固めました。
高さの調節は、DIYの雑誌で見たのを真似て、ペットボトルで作成しました。
基準として決めた土台の高さに合う様に、低ければ砂利を追加し、高ければ丸太で叩く。
この繰り返しで納得いくまで調整します。
土台の組み立て
土台がしっかりできたら、土台の枠と根太受けを束柱にしっかり固定します。
写真はありませんが、真ん中の土は外に出して、自宅の建て替えで余った防水シートを貰ってありましたので、それを敷いて砂を敷き詰めておきました。
これで多少湿気が上がってくるのを防げたと思います。
根太を取り付け、15mm厚の合板を張り付けたら、床部分の完成!
土台部分で気を使ったのは
地面をきちんと固めて高さを均一にする事
湿気が上がって来ない様に防水シートを敷く事
シロアリ対策に防蟻処理した木材を使う事
この3つでした。
2x4パネルの組み上げ
床の上で背面パネルから組み立てていきます。
それほど大きくないとは言え、結構な重量のパネルになりました。
これを一人で起こしながら、仮固定の木を打ち付けるのには少し苦労しました。
この作業は、できれば二人でやった方が良いですよ。
流石に泣きが入りましたからね(笑)
写真の側面パネルは、確認の為に合板無しで仮に設置してます。
こんな感じで、背面、側面、前面とパネルを組み上げていきました。
大変そうですが、寸法通りに木材を切っておけば、パネルの製作は意外と楽でした。
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屋根トラスの組み立て
難所の屋根トラス…
何が難しいって、木材を斜めに正確にカットするのが難しいのです。
ノコギリを正確に扱う技術があっても、きちんと計算された角度でなきゃダメですし、その逆でもダメです。
しかし、完成してみると… 感動ものでした!
三角関数の計算結果で木材を加工したら、なんとピッタリ綺麗に屋根トラスができたじゃないですか!
屋根トラス(上の写真)を眺めては、しばらくの間スリスリしてました(笑)
屋根の組み上げ
撮影が夜になてしまったので、少し分かり辛いかもしれませんが、屋根トラスを物置の奥と手前の2か所に設置、そこに梁を取り付けて固定!
屋根板を取り付ける為の梁も固定。
ここから屋根を作っていきます。
梁の部分に2x6材を敷き詰めるように並べて固定します。
屋根の下側を2x2材で固定。
そして、屋根の端に屋根板(12mm厚の合板)がずり落ちないように1x4材を固定します。
屋根板の上にはアスファルトシングルを敷きますので、1x4材は屋根板の厚さに合わせて12mmだけ上に出るように固定しました。
最後に合板を張り付けたら、屋根下地の完成です。
屋根板(合板)の上には、雨漏れ防止の為に防水シートを敷きます。
防水シートは、透湿性と防水性の高い「ラミテクトHi」と言う製品を購入しました。
防水シートは、防水シートの表面に着いた水滴がスムーズに下に落ちるように、下から上に向かって重ねて貼ります。
写真を撮り忘れましたが、防水シート貼る前に、キシラデコール(防腐・防虫剤)をたっぷり塗り込みました。
本来なら雨水の侵入を防ぐためにも、専用の釘で貼った方が良かったのかも知れませんが、横着してタッカー(大きなホチキスみたいなやつ)でバチンバチンと貼っちゃいました(笑)
屋根の最終仕上げです。
アスファルトシングルを下から上に向かって張り付けていきます。
雨漏りしない様に、打ち付けたくぎの部分が上のアスファルトシングルで隠れる様に貼っていきます。
屋根のてっぺん部分は、アスファルトシングルを小さく切ったものを山型に折って張り付けて完成です!
アスファルトシングルと言う屋根材は、その名の通りアスファルトと同じ素材?で出来ていますので、少量でも重いし硬いです。
山型に張り付ける時に、曲げすぎるとヒビが入って雨漏りの原因にもなりそうなので、ゆる~く折り曲げて優しく貼って下さいね。
屋根トラス部分は、仕上げにアクリル板を貼ってオリジナリティを出してみました。
小屋の中も明るくなって、物を探すのも楽になります。
ここが一番力が入った部分です^^
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側面の仕上げ
続いて側面の仕上げに入ります。
外壁は当然木製にするので、木を打ち付ける為の下地の板を張り付けます。
こうする事で、空気層ができて断熱になります(住むわけじゃないので、ここまでする必要ないかもですがw)
その上から杉板を下から張り付けていきます。
いわゆる「下見張り」と言う張り方らしいです。
う~ん
これでもいいかも(笑)
でも、防腐、防虫を考えて、やっぱりキシラデコールは塗っといたほうが安心です。
キシラデ塗ったのが、こちらの画像です。
角の所は、どうしても隙間ができてしまいます。
ここの処理をどうするか?
あまり深く考えずに、北欧住宅風にしてしまえ!と、直感的に思いついていたので、それ以上深く考えませんでした(笑)
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扉と窓を付けて完成!
扉と窓を蝶番で取り付け、窓枠と小屋の角を化粧板で装飾して完成です!
すみません、扉と窓の加工時の写真は、加工に必死で撮り忘れて皆無でした…
白い窓枠と化粧板は、浴室などにも使われる「コンゾラン」と言う塗料で、塗膜に通気性があって防腐、防虫、防カビに優れているそうです。
ただ難点は、ドロドロとしていて非常に塗りにくかった事です
ところで、どこが北欧風?と思われる人もいるかと思いますが…
某北欧住宅メーカーの窓枠の真似をしてみただけです^^;
↑ 本物の北欧の住宅
ちょっと雰囲気ありませんか?
まぁ 自己満足の世界なので、良しとします(笑)
木製物置の製作費用は?
気になるコストですが
正確なところは忘れました。
材料表を作っていたのですが、完成前に更新するのを忘れていて、正確な数量ではないため、確認後に追記します。
それでも、材料費はトータルで10万弱だったと記憶しています。
ただし、材料の調達に掛かった輸送料は、全て自分で運んだので除外しています。
また、道具も結構購入しましたが、木製物置小屋の費用からは除外してます。
因みに、購入した道具は、丸ノコ、サンダー、スコヤ(定規みたいなの)、ドリルドライバー(インパクトドライバーにすれば良かった)くらいですので4万くらいだと思います。
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北欧風木製物置の作り方まとめ
温かみがあって、自由な加工もできる木製物置小屋のDIY
DIY初心者の私でも、ここまで作る事ができました。
肝心なのは、きちんとした計算に基づいた設計と根気だと思います。
「やればできる!」と言う事ですね。
お金に余裕のある方なら、輸入の木製物置も良いと思いますが、材料費10万前後でここまでできるなら、DIYを考えてみては如何でしょうか?
きっと自分だけの素敵な木製物置小屋ができますよ!
Special Thanks:ジョイフルホンダ瑞穂店