2020年1月に提供が開始された「新しい Microsoft Edge」。 使いにくく評判の悪かったEdgeだが、GoogleChromeと同じエンジンを使って開発され、Updateで順次機能アップしていくとの事だが、果たしてどれほどの進化を遂げたのだろうか? いまインストールすべきか? GoogleChromeと何がどう違うのかまとめました。
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目次
新しいMicrosoft Edge
一部のこだわり派を除き、長年世界中で使用されてきたIE(インターネット・エクスプローラー)ですが、Windows10からは「Microsoft Edge」にその座を譲る事になりました。
しかし、その「Microsoft Edge」が使いにくいのなんの・・・
おまけに、大企業などで使用しているWEB版の業務アプリケーションも「Microsoft Edge」では不具合が多発。
私の所属する会社(グループ会社含め4万人規模)でも、「Microsoft Edge」は見送り、「Google Chrome」への移行中です。
起死回生を狙ったMicrosoftは、遂にGoogleに白旗を掲げ、Google Chromeと同じChromiumベースの「Microsoft Edge」に再構築したのです。
そして、2020年1月より「新しい Microsoft Edge」の提供が始まりました。
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Microsoftが発表した移行すべき10の理由とは?
2020年3月20日には、Microsoftが「Windows ブログ」にて、「新しい Microsoft Edge に移行すべき 10 の理由」を発表しました。
その内容を簡潔にご紹介します(2020年6月7日時点)
コレクション
《提供中》 個人的評価:
WEB画面やサイトのリンクを保存できるのは、「お気に入り」と似たような機能ですが、カテゴリーの作成も簡単にできて、画像付きでアクセスが容易になっています。
コレクションは2階層までしか作成できませんが、視覚的に整理できるので、これは使い勝手が良さそうです。
コレクションの中にはコメントを書くメモ機能もあるので、より整理し易いと思います。
垂直タブ
Microsoft Windows Blogより
《未提供》 個人的評価:
今どきのブラウザは、ほとんどがタブ機能を持っています。
このタブ、沢山開くといちいちページを開かないと、何のページか分からなくなってしまいます。
これが垂直タブだと縦に並び、タブに書かれている内容が幅広く見る事ができるので、何のページだったか?直ぐに分かります。
残念ながら、未だ安定板では公開されていませんが、「新しいMicrosoft Edge」の中で使いたい機能の一つです。
スマートコピー
Microsoft Windows Blogより
《未提供》 個人的評価:
「スマートコピー」なる機能は、WEBサイトの内容等をコピペする時、元のサイトのフォーマットを極力忠実に再現できる様にする機能です。
表形式のテーブルの内容など、張り付けると表が崩れてしまって、直すのに労力が必要でしたが、この機能を使うと大幅に労力を削減できるらしい・・・
素晴らしい機能の様ですが、個人的にはコピペする機会があまりないので、そこまで必要性を感じません。
それにGoogle Chromeで普通にコピペしても、ほぼほぼ同じ様にできてしまうので、目新しさもありません。
追跡防止機能
《提供中》 個人的評価:
直接アクセスしていない Web サイトからの追跡を防止し、ユーザーが表示・非表示を管理できるようになります。
セキュリティー面では嬉しい機能ですが、Google Chromeでも設定できます。
ただ、Google Chromeでは、トラッキング拒否の機能が初期設定でオフになっていますが、新しいEdgeではオン(バランス)になっていますので、パソコンに詳しくない人でも安心して使えるますね。
パスワードモニター
Microsoft Windows Blogより
《未提供》 個人的評価:
WEBサイトでユーザID、パスワードを入力した時に、そのID、パスワードが漏洩している可能性が認められた場合に、赤枠内のポップアップで教えてくれる機能だそうです。
この機能が標準で組み込まれるのは安心ですね。
Google Chromeでは、別途拡張機能をインストールしなくてはいけませんので、その点で評価できると思いますので、早くリリースして欲しい機能です。
InPrivateモード強化
《提供中》 個人的評価:
InPrivate モードでは、閲覧セッションが終了したとき(ブラウザを閉じた時)に、閲覧履歴、Cookie、サイト データが自動的に削除されます。
この機能は、IEにもGoogle Chromeにもあります。
いったい、どこが強化されたのか不明です。
そもそもこの手の機能は、同じパソコンを使う家族などにWEBの閲覧履歴などを見られたくない場合に便利な機能ですが、訪問したWEBサイトに対しては通常モードで閲覧する時と何ら変わりません。
まぁ、中には必要な方もいるのでしょうが・・・(笑)
イマーシブ・リーダー
Microsoft Windows Blogより
《未提供》 個人的評価:
イマーシブリーダーを使うと画面上の不要な情報が非表示になり、集中しやすい簡素化された環境に切り替わります。
文字の大きさや背景色なども簡単に変えられるので、お年寄りにも便利な機能になりそうです。
4K動画の再生
Microsoft Windows Blogより
《提供中》 個人的評価:
マイクロソフトと Netflix とのパートナーシップにより、4Kの高画質で動画を視聴できます。
との事ですが・・・
テレビもパソコンも、4Kの画面を採用しているのは、まだごく一部の製品のみです。
つまり、全ての人がこの恩恵を受けられるのは、もう少し未来の話でしょうね。
Bingでの寄付機能
《日本未提供》 個人的評価:
Bing で検索するたびにリワード ポイントが貯まり、Microsoft Rewardで「GIVEモード」に設定しておけば、自動的に寄付ができると言うものです。
この機能があれば、自分が支援したい団体などを登録しておけば、勝手に寄付できるので、とっても素晴らしい事です。
しかし、残念ながらこの機能はアメリカ国内の団体への寄付しか提供中されていません。
東日本大震災や熊本地震などの復興に支援できるなら、喜んでBing検索を行うのですが・・・
新しいEdgeへのスムーズな移行
《提供中》 個人的評価:
誰でも簡単に素早くインストールでき、Windows、Mac、iOS、Androidでも利用可能!
え? それって特筆すべき事なの?と疑問ですね(笑)
Google Chromeだって当然できますし、Firefoxだってできますよね・・・
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その他Google Chromeとの機能比較
MicrosoftのWindows Blogで紹介された「新しい Microsoft Edge に移行すべき 10 の理由」ですが、そこに書かれていない主な機能の比較をしてみました。
公平を期すために、どちらも最新バージョンで比較しています。
- Chrome バージョン:83.0.4103.97
- 新しいEdge バージョン:83.0.478.45
画像の下の★は、個人的な5段階評価ですので、「ふ~ん」ぐらいに見て下さい。
アカウント
新しいEdge: Google Chrome:
新しいEdgeは「Microsoftアカウント」、Google Chromeは「Googleアカウント」にログインして使います。
アカウントにログインする事で、ブラウザ上で動く様々なアプリと同期したりして、使い勝手を向上させる事ができるのがメリットと思います。
Google Chromeなら、GoogleマップやGoogleフォト、Googleドライブなど様々なアプリがありますよね。
しかし、新しいEdgeでは、肝心なアプリが乏しすぎます。
今どき、Windows自体もMicrosoftアカウントでログインして使いますので(ローカルアカウントに変更できますが)、メリットが無くブラウザにログインするのは、監視されてる感が強いです。
スマホなどと検索履歴などを共有はできますが、それだけ?と思ってしまいます。
起動画面
新しいEdge: Google Chrome:
新しいEdgeは、初期設定がURLの無いデフォルトページですが、ChromeはGoogle Chromeのサイトが表示されます。
新しいEdgeでは、Microsoftのニュースが表示される様になってますが、ここはMicrosoftのこだわりなのでしょうね。
ポータルサイトとしては、Yahoo!に大きく差をつけられているので、どうしても外せなかったのでしょう(笑)
一方のChromeですが、初期画面は相変わらず検索窓しか無いシンプルな画面が表示されます。
これはこれで良いのですが、だったら最初からタブページでも良い様に思います。
だってGoogleブルーのタブページは美しくてお気に入りなので(笑)
とは言え、新しいEdgeもGoogleも設定で変更できますので、評価としては引き分けってところでしょうか。
あとは好みの問題ですね。
トップページのカスタマイズ
新しいEdge: Google Chrome:
新しいEdgeではニュースを消す事もできますが、ニュースを消すと検索窓とショートカットの間が間延びした状態になってしまいます。
背景画像を定期的に更新する「イメージ」にすると、ニュースが消せなくなり、「シンプル」と言う設定だと背景が薄いグレーしか選べません。
ショートカットも表示するかしないかの2択しか無いのは残念な限りです。
Google Chromeだと、ショートカットの表示、非表示だけでなく、ショートカットか検索履歴かを選択できます。
背景画像も綺麗な写真や、Googleブルーの様な単色も色々選べますし、自分の写真も使えます。
まぁGoogle Chromeも、少し前のバージョンまでは、拡張機能をインストールしないとショートカットを消せなかったですけどね。
現在のバージョン(83)なら、Google Chromeの圧勝ですね。
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WEBサイトの検索
新しいEdge: Google Chrome:
検索エンジンは、新しいEdgeが「Bing」、Google Chromeが「Google」
検索エンジンでは、Yahoo!とGoogleが全体の8割を占めているので、Bingとの差は圧倒的です。
Chromeなら検索エンジンをBingや百度に変更する事も可能ですが、新しいEdgeでは変更できません。
設定メニュー画面
新しいEdge: Google Chrome:
多少の違いはありますが、それほど大きな差はありませんね。
同じChromiumベースのブラウザですから、当然かもしれませんが。
提供アプリ(拡張機能)
新しいEdge: Google Chrome:
圧倒的な差です(笑)
Googleアカウントにログインすれば、パソコンとスマホで写真やドキュメント、地図(Googleマップ)も同期して見る事ができますし、Googleアプリも豊富です。
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一方の新しいEdgeでは、見慣れない(使いそうも無い)アプリがしょぼしょぼと並んでいるだけです(笑)
おまけに・・・
新しいEdgeでは、Chromeアプリからもインストールできますが、結局Googleにログインして使う事になったりしますので、Edge完敗といった所でしょうか。
新しいMicrosoft Edgeを使うべき?
主だった機能などの比較をしてきましたが、いますぐ新しいEdgeを使うべきか?と問われれば、時期尚早と言えるでしょう。
使い勝手にしても、アプリにしても、まだまだこれから改善されていく事になるでしょうから、いまは未だおすすめはできません。
ただ一点
新しいEdgeには、IE互換モードと言うのがあり、IE(インターネット・エクスプローラー)上で稼働する事を前提に構築された「各企業の業務アプリ(WEB系システム)」が新しいEdgeで正常に動くなら、今後新しいEdgeの復権もあり得ます。
でも、確定申告の「e-TAX」サイトへの影響を避ける為、Windows UPDATEでの配信を延期した経緯からすると、ChromiumベースのEdgeでは未だ正常稼働の検証が進んでいないのではないかと思います。
その間に、各企業ではGoogle Chromeへの切り替えが進行中ですので、「時すでに遅し」と考えるのが妥当です。
個人利用でも、Windows10の標準ブラウザとして優位性があるものの、拡張機能を充実して行かなければシェア拡大は難しいでしょうね。
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新しいMicrosoft EdgeとChrome比較まとめ
2020年1月に提供が開始された「新しいMicrosoft Edge」ですが、基本機能、拡張機能ともにGoogle Chromeに完敗の状況です。
今後、順次提供されていく予定の機能もそれほど魅力的なものは多くありません。
- コレクション
- 垂直タブ ※未提供
- スマートコピー ※未提供
- 追跡防止機能
- パスワードモニター ※未提供
- InPrivateモード
- イマーシブリーダー ※未提供
- 4K動画の再生
- Bingでの寄付機能 ※米国のみ
- スムーズな移行
※2020年6月時点
従って、今すぐにダウンロードして使うべきとは思えません。
今後、拡張機能が充実してくれば、将来的に復権できるかもしれませんね。